クライアント体験

スターアドバンスの提供してきた「クライアント体験」を具体的なケースからお伝えします。

クライアントのプライバシーを守るため、いくつかを組み合わせたりしています。

【Aさん10代の独り暮らし】

Aさん(10歳代)は両親が亡くなったため、グループホームに入居して通学されていました。しかし、集団行動ができないと、入居していたグループホームを退去させられることになり、独り暮らしをすることになりました。

独り暮らしはもちろん初めて、自分で買い物、洗濯、調理もやったことがありません。

「コン」では、毎日訪問型サービスに入り、Aさんと一緒に生活をどのように組み立てるかを一緒に考えていきました。また、買い物、洗濯、調理、掃除を一緒に取り組み、できることを1つ1つ増やしていきました。そして、Aさんができるようになった分だけ、サービスも少しずつ減らしていきました。

【Bさんサービス利用開始時60歳】

Bさんは退院後の一人暮らし開始の際には、「コン」の訪問型サービスで生活の自立をお手伝いしました。その後通所型サービスで生活リズムや対人関係の構築をされ、現在は、福祉的就労で地域で元気に生活をされています。

【Cさんサービス利用開始時45歳】

Cさんは精神科病院で10年以上の長期の入院をされていました。スターアドバンスでは地域移行サービスにて、入院中から「コン」の通所体験利用をしていただき、退院の際には、アパート探し、さまざまな手続きのお手伝いをさせていただきました。

退院後の一人暮らし開始の際には、「コン」の訪問型サービスで生活の自立をお手伝いしました。その後通所型サービスで生活リズムや対人関係の構築をされ、現在は、福祉的就労で地域で元気に生活をされています。

私たちのサービス

多機能型生活訓練・生活介護事業所【コン】

「生活訓練」(定員14名)と「生活介護」(定員6名)を併設して実施する事業所です

コンのサービスの概要

「コン」は、「生活訓練」(定員14名)と「生活介護」(定員6名)を併設して実施する事業所です。営業日は月曜日~金曜日(年末年始を除き祝祭日も営業)です.訪問型生活訓練は土曜日にも訪問を行っています。

プログラムは利用者とスタッフ全員で考え試行錯誤して決めています。個別のニーズに合わせて別メニューを行う場合もあります。ピアスタッフによるリカバリープログラムを新たに開始しており、今後も専門性の高いプログラムに取組んでいきたいと思っています.

また、通所では、週1クッキングと週4手づくりの給食を提供しており、栄養バランスのとれた食事をとり、生活の基盤を作れるようにしています。公共交通機関を使うことが難しい方は、送迎も行なっています。

◆生活訓練

「生活訓練」は、障害福祉サービスの1つです。最大2年間(原則)の中で、期間や目標を設定した上で、通所や訪問を組み合わせることで、日々の生活能力の維持・向上を目指すというニーズの高いサービスです。

しかし、例えば船橋市には障害者福祉サービスを提供する事業所は443か所ある一方で、生活訓練を行う事業所は3か所しかありません(2020年11月現在)。

これは生活訓練が、期間を決めて行う通過型サービスで、利用者数が安定せず採算をとりにくためと考えられます。サービスが少ないせいもあって、生活訓練のことを知らない方や、イメージしづらい方も多いようです。

しかし、今の状態を見つめ自分らしいリカバリーを目指すために、生活訓練は欠かすことができないサービスです。生活訓練サービスを知らない・イメージできない方は、ぜひ一度コンまで見学にいらしてください。

◆訪問型生活訓練

「訪問型生活訓練」とは、生活訓練の中でも、利用者のご自宅を訪問して行うサービスです。自宅での生活を手助けしたり、日常生活の能力の向上を目指していただくものです。厚生労働省のモデル事業を経て平成○○年に制度化された比較的新しいサービスです(代表理事の遠藤や理事の徳山はこのモデル事業に参加していました)。

訪問型生活訓練は、外に出ることが難しく自宅に引きこもっている方、退院したばかりで自宅の生活が不安定な方、勤務はしていても自宅での生活が不安定で仕事等に影響が強く出てきている方には、必要性の高いサービスといえます。

コンは、この訪問型生活訓練を得意としており、現在年間1000回以上の訪問を行っています。スターアドバンスの規模の法人で、これだけ生活訓練の訪問を行っている法人は全国でもほとんどありません。

というのも、訪問は「通所に比べ、単価が低い。移動時間がかかり非効率、利用者の不在で何度も訪問することになる」という収益面の困難さがあるからです。つまり、採算がとりにくい生活訓練の中でも、訪問型生活訓練はさらに採算がとりにくいのです(厚労省障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第8回(H29.9.6)資料5)。

それでもコンが、訪問型生活訓練を重視するのは、①訪問しない限り手が届かないニーズがある、②訪問することで分かち合える生活やニーズがある、③訪問することで築き上げられる信頼関係や伴走関係がある、といった理由です。

◆生活訓練の提供例

就労準備プラン

・就労・復職等をお考えのかた向けに、原則1年以内の「卒業」を目安に就労に向けたプログラム構成を提案し、それに基づいて通所していただくプランです。

・パソコン作業の個別対応や、コン併設の「就労継続支援B型事業所ラプエ」での実習(カフェの接客や調理、パソコン作業等)も可能です。また通勤に向け、生活環境を整えるために訪問サービスを使っていただくことも可能です。

自立生活プラン

・自分なりの生活スタイルができるように、原則2年以内の「卒業」を目安に、訪問サービスや通所サービスを使っていただくプランです

・通所サービスだけでなく、訪問サービスを使っていただくことも可能です。

◆生活介護

必要な日常生活の相談や支援の他、興味のある事を取り入れ、より充実した地域生活を送れるようサポートします。

アーチケアサービス

アーチケアサービスは精神障害(発達障害を含む)の方を対象としている居宅介護事業所です

◆リカバリーに向かう「生活づくり」を目指しています

精神障害や発達障害を持つ多くの方が、「疲れやすい」「何もやる気が起こらなくなる」「体調が不安定で何もできない」という体験をしています。

こうした状態のとき、病気や症状が安定しない状態であれば、まずは治療と休息が優先です。そして、病気や症状が安定してくれば、今度はリカバリーの段階です。頑張って何かやってみたり、頑張って外に出て社会に交わったり等に挑戦していく場面になります。

ところが「挑戦したい」と思っていても、生活環境や生活リズムが乱れていると、なかなか前には進めません。やる気が起きず、疲労が重くのしかかり何もできず、そんな自分に失望して、さらに「頑張ろうにも頑張れない」状況になるという悪循環におちいります。

アーチケアサービスは、リカバリーを目指すために、生活づくり(生活環境を整える、生活リズムをつくる)と、そのために「頑張る」ことを支援することを目指しています。そのために、アーチの行う居宅介護サービスには、次の3つの特徴をもたせています。

①自立支援型のサービスを目指しています
一緒になって家事や身の回りのことを行います(家事代行は基本的に行っていません)

自分一人では家事や身の回りのことができないけれど、誰かが来てやり方を教えてくれる、あるいは、誰かが手伝ってくれたり、一緒にやってくれたり見守りをしてもらえばなんとかできる、という方が多くいます。こうした方には、その人の代わりやる家事援助サービスよりも、やり方を教えて手伝う、一緒にやる、見守るという自立支援型のサービスが有効です。自分の持っている力を、最大限活かすうえでも「やってもらう」より、「自分が頑張ってやってみる」ということが大切です。

また、アーチケアサービスでは、同一法人内の「コン」の訪問型生活訓練と連携して、居宅介護ではできないこと(大きなごみの処理やモノの収納方法や生活習慣を一緒に考え整えるといったことから、各種手続きや金銭管理の支援など)を並行して実施したうえで、日々の生活づくりの基盤づくりをしていくこともすすめています。

②登録型ヘルパーは採用していません
日々の問題や変化を察知する感度をあげ、状態・状況の変化に迅速に支援しています

ほとんどの居宅介護事業所では、「登録型ヘルパー」(「直行直帰型ヘルパー」と呼ぶ場合もあります)―つまりヘルパーが事業所に寄らず自宅から利用者宅に直行して、サービスが終わったら、事業所に寄らずそのままヘルパーの自宅に直帰する職員ーを多く雇用しています。働く側からしてみると、わざわざ事業所に寄らないで、自分の空いた時間を有効に仕事ができるメリットがあります。雇う側からしても、往復時間や手待ち時間の人件費を軽減できるというメリットもあります。一方で、ヘルパー間で、利用者の情報を伝達・共有し、話し合うことは難しくなります。このデメリットはとても大きいことだと私たちは思っています。

そのため、スターアドバンスのヘルパーは、直行&直帰という働き方は採用していません。そもそも、一部のヘルパー以外は勤務日にはフルタイム(7~8時間)勤務する従事者です。そのため、サービス担当責任者をはじめ、ヘルパー同士がいつも顔をあわせ、利用者の情報を伝達・共有することがスムーズに行われ、利用者の小さな変化や言語化しにくい問題を気づき・アセスメントを共有し・対応するということが行いやすくなっています。

こうして共有した情報をもとに、日々利用者に問いかけ、働きかけるという形でフィードバックしています。モニタリングからアセスメント・プランニングという大きな流れを、日々迅速にチューニングしてくことで、利用者主体の自立支援をすすめることが可能となっています。

③ピアスタッフが従事しています
自分も頑張れるかも、という希望が持てる等の声をもらっています

スターアドバンスの職員の約4割がピアスタッフです。ヘルパーもほぼ同じ割合でピアスタッフが従事しています。

このようなこともあって、利用者の中には、特にピアスタッフのサービスを希望する方がいらっしゃいます。アーチではこういったご要望にも可能な限り答えています。